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大会レポート

自信胸に、ロンドンへ

2017年7月2日(日)
第22回関東パラ陸上競技選手権大会

7月1日・2日、町田市立陸上競技場で「第22回関東パラ陸上競技選手権大会」が開催された。気温30℃を超える真夏日の中、日本新記録・大会新記録が相次ぎ選手達の勢いを感じさせる大会となった。そうした中、ホシノドリームズプロジェクトが支援する高田千明選手は女子走り幅跳び(T11クラス)、女子100m(同)に出場。自身にとって手応えを感じる大会となった。

走り幅跳び、100m共に調子は、上向き
女子100m、女子走り幅跳びの様子

走り幅跳びでは、6回中2回目の跳躍で4m47㎝を記録。これは6月に行われた日本パラ陸上選手権(駒沢)で更新した自己ベスト・日本新記録と同じ数字だ。自身も「(4m)47㎝は確実に跳べるようになったので、これからも調子良くしっかりと跳んで記録を伸ばしたい」と自信を覗かせた。

一方、女子100mでは大会新記録の13秒49をマーク。伴走者の大森盛一コーチは「前半もたついたが、ここ数回はずっと(13秒)40台を出せる。ここから磨いていって30台を出したい。」と意気込んだ。高田選手自身も「このタイムがついてきてくれて良かった。調子が良いのかなと思う。」と安堵の表情を浮かべていた。

課題は「集中力」

順調に見える高田選手にも課題がないわけではない。今大会では6回の跳躍中、3回が無記録となった。助走で大きく左側に逸れたり、踏み切りのリズムが合わない等で跳躍を断念しなければならないシーンがあった。全盲の選手は助走を導くコーラーの声が大きな頼りだ。だが大きな大会になればなるほど歓声や雑音でその声はかき消され、距離感を測るのが難しくなっていく。想像してみてほしい、「狭いコースの中を目隠しをして全力疾走する」ことの不安と恐怖を。そうした迷いに打ち勝ち、心と助走が合致して初めて好記録に結びつく。
メンタル面の強化について高田選手は「調子が良いときは大森さん(コーラー)の声がシルエットのように浮かぶのを感じられる。直前までなるべく耳に他の音を入れないようにしている」と語った。その言葉通り跳躍が間近に迫る中、ベンチで耳を塞ぎ極限まで集中を高める高田選手の姿を何度も見かけた。取材をして、走り幅跳びは非常に繊細な競技であることに改めて気づかされる。

大会の様子
次はロンドンの世界選手権、目指すは表彰台

いよいよ7月14日からロンドンで開幕する世界パラ陸上競技選手権大会。高田選手は女子走り幅跳び(T11クラス)、女子100m(同)に出場予定だ。大会後のインタビューで大森コーチは「そろそろ表彰台に上がる姿を見たい」と高田選手の背中を押す。今大会で自己最高記録をより確実なものにした高田選手は、これまでの自信を胸に、世界の舞台へ羽ばたく。

(文 Y.M)