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インターンシップ1期生 藤野 哲平(ふじのてっぺい) 2008年6月10日~7月29日 バンクーバー・カナディアンズに派遣

カナダ、バンクーバー・カナディアンズでHDPインターンシップ生として7週間を過ごす。
野球の盛んな地。横浜で育ち、甲子園を目指す高校球児にはプロになるという目標があった。
しかし大学2年の夏、参加したアメリカでのサマーリーグをきっかけに、アメリカのスポーツのあり方に深く共感し、人生が変わった。やがてプロを目指していた彼は、日本にスポーツを文化として根付かせ、独立採算制のチームや新しいプロリーグを創りたいと考えるようになる。その実現のためのノウハウと可能性を探るため、一人球団経営者としての道を歩き出した。
2007年の夏に新聞広告を見て、インターンシップへ応募。夢への本格的なチャレンジが始まった。
インターン終了後は一時日本へ帰国をするも、翌年には再度カナダへと渡り、現在もバンクーバーで球団経営のノウハウを日々学んでいる。カナダを拠点として活動する彼の目に、海外から見た日本のスポーツは、ベースボールは、どのように映ったのか。

ファンサービスは、スポーツ界の繁栄になくてはならないもの。

▼ 大きな夢をもって挑んだインターンシップ。

目標は既に決まっていました。
それは日本のプロスポーツチームの球団経営者になること。その為にこのインターンシップでは、少しでも夢に近づく為に具体的な収穫をしたいと思い、飛び立ちました。
まず、財務面での球団のやりくりを学び、原価構造を把握し、各スポンサー、球場や各広告媒体の価格設定など、日本ではなかなか見えない部分を知りたかったのです。そしてもうひとつは、集客についての施策を学びたいと思っていました。これもできる限り具体的に知るためには、やはり行ってこの目で見て直接体験をしなければ分からないと考えていました。その為、現地では非常に忙しい毎日を過ごすこととなりました。ペンキ塗り、掃除、試合・練習ボールの開封、グラウンド整備、ベースボールカードの在庫管理、ギブアウェイスケジュールの配布、マスコット誘導、ごみ捨て、芝刈り、喫煙所の作製。寿司レース(イニング間のイベント)、TVイベントへの参加。


そして、チケットセールスの営業電話。これは勉強になりました。後々にも繋がるのですが、英会話の実力が絶対的に重要だと思い知らされました。
チケットセールスについては日本よりも進んでいると聞いていましたが、実際は多少システムやバラエティの部分で進んでいるところもあったのですが、毎日営業電話でチケットセールスを行うという、泥臭い営業を行っていたことに非常に驚かされました。要するに、ただ待っているだけではやはりチケットは売れないのです。企業などへ電話を掛けるのですが、そこでの英会話はとても苦労しました。身振り手振りが見えない分、実力がそのまま出てしまう。慣れないビジネス英語はなかなか伝わらず、毎日勉強が必要でした。

また、試合で行われる多種多様なイベントとギブアウェイにも驚かされました。アイコンとしてすぐ記憶に残る球団マスコットの認知度を上げるため、他のイベントには積極的に参加をしていました。これはすぐにでも日本で同じことができる部分です。ぜひ取り入れるべきですね。
あっという間のとても充実した毎日でしたが、一つだけこのインターンで達成できなかったことを挙げるとすれば、当初目標としていた球団の財務の実情までのリアルな数字は知りえなかったことです。さすがにキャッシュフローなどのリアルな数字までは教えてくれませんでしたが、部分的な売上項目や原価を調査できました。まずはリサーチの面で、大きなパズルのひとつを埋めることができました。

▼ 自分の好きなことは辛くない。

今回のインターンを通じて得た最大の収穫は、人脈かもしれません。
自分が出発前に課した「球団経営の財務的な調査」という面では思うところの半分も分かりませんでした。もちろん、日本にいては到底知りえないことや体験もありましたが、ここで満足できなかったことで「この後の活動をどうするのか?」という疑問が生まれ、 スポーツ先進国のプロスポーツチームでもっと勉強したいという動機につながりました。
その後は積極的に動き、2008年のインターン終了後には、バンクーバーカナディアンズとシーズンフルタイムスタッフとして半年契約にこぎつけました。インターンの実績を評価してくれたチームに感謝するとともに、また現地で働けることや学べる機会ができたことをとても嬉しく思いました。そして再びカナダへと渡った後は、カナダ・アメリカで活躍するスポーツ関係者と知り合う機会もますます増え、人脈ができたことが私にとっての財産と呼べるものかもしれません。


カナディアンズとの契約後は2009年シーズンのシーズンフルタイムスタッフとしての勤務、2010シーズンのフルタイムスタッフとしての勤務を重ね、更にその後のオフシーズンも契約をしています。
今のオフシーズンの仕事は、インターンの頃と比べるととても厳しい内容です。球団の採用条件は、チケットや広告セールスの成績が全てです。要するに稼げなければダメ。稼げるならば日本人でもOKということです。仕事内容はチケットを電話で売ってこいというもの。とても明快です。ここでも、やはり英語力が鍵となります。
生きた英語を話せないと役にたたない。チケットを買ってもらえないと、仕事にありつけない。つまりカナダにも居られません。企業の福利厚生の一環として年間シートなどを売り込むのですが、スポーツが地域社会貢献として根付いているからこそ、僕の英会話でもなんとか大丈夫だったのかもしれませんね(笑) 熱意なら負けません!

▼ ライバルはスポーツだけではない。

日本にしばらくぶりに帰ってきて、地元で野球を見に行きました。久しぶりに見る日本の野球はどんなものかと思って行ったわけです。そこで感じた野球は、とても寂しいものでした。

まず選手に覇気がないと、私は感じました。自分のプレーは常に見られている。そして常に最高のパフォーマンスを毎試合披露しなければファンにも認められませんし、ましてやメジャーへの道は遠く、険しいのがマイナーリーグの世界です。
エンタテインメントビジネスが発達していると言われる海外では、ボールパークは「遊び」に行くところ。野球を「観戦する」という意識は、日本より低いかもしれません。ですが、それだけにライバルは多くなるのです。ライバルはスポーツだけとは限りません。 消費者に「どこに遊びに行こうか?」の選択に、野球を選んでもらうには遊園地や映画や花火大会やショッピングなどに勝たなければならないのです。そういう風に考えなければ集客は望めません。そのためにはシーズン前の綿密なスケジューリングが大前提であり、チケットセールスはプロモーションとマーケティングの世界です。

その中でファンサービスとは何か?を考えると、おのずとお客様を楽しませることの大切さも理解できるし、案内係のモチベーションひとつが重要なポイントになることも当然なのです。選手たちも、ただフィールドだけのプレイに終わりません。もし、私が日本でプロ球団の創設に係わり球団社長となれたら、選手のファンサービスは当たり前であり、スポーツ界の繁栄になくてはならないものだということをしっかり伝えていくつもりです。

▼ インターン後輩たちへのアドバイス。

まず、自分の意見は主張すること。シンプルだしよく言われることですが、日本人はこれがなかなかできません。決して頑固に主張を押し通せということではなく、はっきりとこう思うなら、こうだと表現してください。

あと英語が苦手、話すにもおぼつかないのであればやる気と行動で示してください。思っていても動かなければ、考えていないのと同じです。相手は認めてくれませんからね。行動力を示すことは、向こうの文化では尊重されるのです。だから、積極的に前へ前へと進んでください。

▼ 僕を応援してください!

いつかきっと、日本に新しい概念を持ったプロリーグ、もしくはチームを作りたい。今はその実現可能なピースをひとつひとつ集めている途中です。

インターンをきっかけに素晴らしい方々との出会いがありました。いつか、お客さんを呼べて、地元で愛される若手のファームを創ってバンバン売り出していきたい!その原案はもう僕の頭の中にあります。
みなさん応援してください!!よろしくお願いします!

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※インタビュー記事の内容は、2010年10月6日時点の情報となります。

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